読書と散歩

普段は通勤電車に揺られながら、休日は散歩しながら、のんびり読んでます。

1月の読書メーター まとめ

1月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1965
ナイス数:279

真夜中の檻 (創元推理文庫)真夜中の檻 (創元推理文庫)感想
上越の山深い村に古文書調査に訪ねた青年。美貌の寡婦に心を奪われるが屋敷で過ごすうちに妙なものを度々みるようになり、な表題作。夫のいる身なのに見覚えのないラブレターが届き怒る女性。こいつは四月馬鹿の悪ふざけに違いない、犯人を突き止めてやりますよと請け合った義弟が銀座で出会った背筋凍る体験を描く『エイプリル・フール』。生涯を翻訳家として通した平井が遺した僅か二編の短編小説。そのコクのある極上の旨み。併録された英国怪談批評や荒俣宏東雅夫の寄せた文を読んでから再読すると更においしい。恐怖よ、燐色に輝き続けよ。
読了日:01月30日 著者:平井 呈一
大嘗祭―天皇制と日本文化の源流 (中公新書)大嘗祭―天皇制と日本文化の源流 (中公新書)感想
大嘗祭は稲の収穫(稲の仮死)から稲の子の誕生を、秋から春への季節の流れを、前天皇の死から新天皇の誕生を象徴する祭りである。その式次第は伊勢神宮を参考にして天武・持統の頃に成立したと思われる。伊勢神宮は純粋なヤマト文化ではなく中国思想に影響されており、伊勢神宮の建築様式は東南アジア諸民族の穀物倉庫が源である。卑弥呼が祭祀を、その弟が政治を行った構造は、天皇は象徴として、政治は政府が行う現代まで続いている。大嘗祭天皇制も国粋主義とは無縁である。なぜならアジア全域の文化に源流が求められるからだ。濃密な天皇論。
読了日:01月21日 著者:工藤 隆
在宅無限大: 訪問看護師がみた生と死 (シリーズ ケアをひらく)在宅無限大: 訪問看護師がみた生と死 (シリーズ ケアをひらく)感想
訪問看護師複数名へのインタビューを通して、在宅で行う看護の本質を、在宅で生き、ご逝去されていくことの本質を現象学の視点から考察した本。あらゆることが看護の本質だみたいに書かれてるので、いきなりこの本から在宅医療の世界に触れた人に誤解与えないかと少し心配。死までの過程に在宅で関わる職種は看護師以外にいっぱいいますし、どの職種もここに書かれたことを担いますからね。看護師を〈コメディカル〉に含めず別枠として扱うのも、随分古い感覚だなあと思いました。次は多職種に対してのインタビューを元に質的研究をしてほしいなあ。
読了日:01月13日 著者:村上靖彦
ICF 国際生活機能分類―国際障害分類改定版ICF 国際生活機能分類―国際障害分類改定版
読了日:01月06日 著者:
山茶花―自選短篇十種 (1975年)山茶花―自選短篇十種 (1975年)感想
著者八十歳のときに編まれた自選短編集。母の死。父の死。最初の妻の死。二人目の妻との出会い。文学志望の青年の死と、その母親との会話。戦場で見た馬の首無し死体。瀧井は原稿用紙に焼き付けていく。周囲の人々の生活を。人々をとりまく虫や川魚を。『山茶花』という書名は、この本の刊行が決まった時に瀧井の家の庭に咲いていた山茶花からきているとあとがきにある。身辺に存在するあらゆるものを描き続けた作家らしい書名のつけ方だなあ。
読了日:01月02日 著者:瀧井 孝作
幕末明治人物誌 (中公文庫)幕末明治人物誌 (中公文庫)感想
吉田松陰坂本龍馬後藤象二郎頭山満など十一人の人物伝。最初はいまひとつ読みどころがつかめなかったが、徳富蘆花を扱った章で、そうかこれは明治思想史なのだと気がついた。蘆花の「悲惨な初々しさ」。蘆花が共感していた乃木希典の自殺に潜んでいる国家論。『西郷隆盛の反動性と革命性』では、西南戦争に際して民権派の青年達がルソーの思想の元に西郷軍に身を投じたという、今の感覚からすると理解しづらい事実の解釈が行われている。
読了日:01月01日 著者:橋川 文三

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