8月の読書メーター まとめ

8月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3507
ナイス数:402

旅の民俗学旅の民俗学感想
対談集(インタビュー含む)。松谷みよ子・松永伍一との『旅と伝説に魅せられて』は、面白くなりそうなテーマとメンバーでありながら全く面白くない。水上勉との『日本の原点』は、いい内容だけど対談というよりインタビューである。壮大に自説をぶちまける江上波夫と、事細かに宮本に異論をぶつけまくる国分直一との『日本人とはーその起源にさかのぼって』が一番面白い。やっぱ、対談は好き勝手な放談か、ケンカ腰じゃなきゃ。
読了日:08月30日 著者:宮本 常一
孤独の達人 自己を深める心理学 (PHP新書)孤独の達人 自己を深める心理学 (PHP新書)感想
「本の感想を聞かされるときほど、落胆させられることはない」とあとがきに書かれており、とても感想を書きにくい。仕事を一生懸命やってても、評価されるより否定される方がはるかに多いですね、確かに。でもまあそんなもんなんじゃないか、上司に期待するのをやめて、自分のことは自分で評価しようよ。他人に期待せず、気ままに一人で自由に生きようよ、と。引用されている心理学者や哲学者の名前をのけて著者の言いたいことをまとめるとそういうことになりますか。「なぜこの人と一緒にいるのか」自問自答しながら続ける結婚生活疲れそうだなあ。
読了日:08月22日 著者:諸富 祥彦
触発するゴフマン―やりとりの秩序の社会学触発するゴフマン―やりとりの秩序の社会学
読了日:08月21日 著者:
書評はまったくむずかしい (五柳叢書)書評はまったくむずかしい (五柳叢書)感想
「書評は批評の場ではない」と最初のページで断言される。朝ジャに書いた書評が元で生じた、本の著者からの赤坂さんに対する人格批判・裏で手をまわしての講演中止。そうそういい本との出会いなどないので「たいていは、いい所をなんとか探して、いわば下駄を履かせた書評を書く羽目になる」。収められた書評はその苦闘の軌跡である。ではブレーキが効いてるかというと、中沢新一『森のバロック』書評などは、中沢の論理の破綻を完膚なきまでにめった斬り。民俗学をなんとかもう一度活きた学問にしたいという想いも伝わってくる熱い書評集。
読了日:08月19日 著者:赤坂 憲雄
治療者と家族のための 境界性パーソナリティ障害治療ガイド治療者と家族のための 境界性パーソナリティ障害治療ガイド
読了日:08月18日 著者:黒田章史
最期まで口から食べるために①最期まで口から食べるために①
読了日:08月18日 著者:牧野 日和
オールドレンズの神のもとでオールドレンズの神のもとで感想
2ページ足らずの掌編も含む作品集。どの作品も濃密であり、文体はしっかりと作者の美意識によって統制されている。他の堀江作品よりもきわどい方面に少しだけ突っ込んだ内容や表現が所々に顔を出す。ギブスンや筒井の影がちらつく作品もあり、著者のなかに潜む多様性を楽しめる一冊。
読了日:08月18日 著者:堀江 敏幸
図解 ナース必携 誤嚥を防ぐポジショニングと食事ケア―食事のはじめからおわりまで図解 ナース必携 誤嚥を防ぐポジショニングと食事ケア―食事のはじめからおわりまで感想
そんなに看護師だけで仕事を抱えずに、食支援は多職種協働でやりましょうよ、と思うのと。そしてリハ職の立場からすると、うーん、あちこち中途半端だと感じる。えっ、たったそれだけの内容で終わらせちゃうのという感じ。手初めに目を通す総論としてはいいのかもしれない。
読了日:08月13日 著者:
肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい感想
なにがきっかけなのか知らないが大ベストセラーらしい。この本、嚥下リハ関係者間では賛否両輪である。否定派からは「のどを鍛えるだけじゃ誤嚥性肺炎は防げない」という意見が多い。読んでみると内容は介護予防教室などで日々我々が喋ってることがコンパクトに纏められた実にまっとうなものであり(はっきりいって面白みはないが、わかりやすいとは思う)、西山先生は別にのどを鍛えさえすれば大丈夫なんて書いてない。こういうよくある書名にしたがゆえのベストセラーなんだろうけど、中身が読まれずに書名だけ広まって誤解が生じないことを願う。
読了日:08月12日 著者:西山耕一郎
なずな (集英社文庫)なずな (集英社文庫)感想
世の人は気軽に「あなたも子供を持てば判るわよ」ということを口走るが、子を持たず歳を重ねた者はそのたびに世間に対しての諦念といくばくかの心の痛みを感ずる。独身四十代半ばの男性がとある理由によって自らの子ではない赤ん坊を育てるこの小説は、身の丈にあった生活を慈しむといういつもの堀江敏幸の世界ではあるのだが、彼の作品の中では際立って生活感のあるかなり異質な作品だとも思う。
読了日:08月12日 著者:堀江 敏幸
ミカドと世紀末―王権の論理 (小学館文庫)ミカドと世紀末―王権の論理 (小学館文庫)感想
トリックスターを自認していた故山口と、後に無残な道化芝居を演じることになった猪瀬の対談。大帝であった明治天皇を補完する道化・影として大正天皇がいた。昭和天皇はどちらの役割も演じたヌエ的な存在であり、次の天皇は必然的に大正天皇の役割を担うだろうと予言されてます。確かに今上天皇は昭和を補完する役割を担ってきましたが、自ら引き受けたところが違うのではないか。そして生前退位は完全にこの二人の予想外であり、「恩赦というのは、天皇が死んだことによる」祝祭空間だという主張も根底から崩れてしまうのでした。さて平成の次は。
読了日:08月11日 著者:猪瀬 直樹,山口 昌男
風のくわるてつと (立東舎文庫)風のくわるてつと (立東舎文庫)感想
この季節になると、ふとした瞬間にこの本に収録されている短編『砂絵の日々』を思い出す。初読は十代終わりから二十代初めにかけてどこかの図書館の蔵書で。立東舎文庫から復刊されたおかげで、今年は自分の家の書棚から引っ張りだして再読出来た。60年代のフランス映画のような絶望感と寂寥感。でもとても好きです。
読了日:08月05日 著者:松本 隆
父を語る 柳田国男と南方熊楠父を語る 柳田国男と南方熊楠感想
それぞれの家族に行われたインタビュー。二人とも民俗学者である前に夫であり父であったわけですが、その家庭内での姿はかなり異なります。印象的なのは怒った時の様子。柳田の怒り方は他者を見下しばっさり斬るように家族にも感じられたようです。一方熊楠の怒り方は、怖いというよりゾッとするような近寄りがたさであったようです。柳田家の日常は学者の家庭としていかにもな感じ。南方家の日常は、妻とのやりとりは娘からみると夫婦漫才みたいな感じだったと。家に出入りする人達も猫や山椒魚などのペットも賑やかで、熊楠の家の方がいいな私は。
読了日:08月05日 著者:
迷信博覧会迷信博覧会感想
迷信は、虚実皮膜のあわいに如何わしく生ずる。動物・運・物・暦・食・呪の各章に分かれ陳列されたこの博覧会。西独の〈悪魔の糞〉、日本の絵馬と東欧のエクスヴォト、媚薬の正しい使用法、敷居またぎ、13日の金曜日といった展示物が並びます。私のお気に入りは、わずか6ページの『霊柩車の運転法』。種村先生宅の近所で伊丹十三が『お葬式』を撮影していた話から始め、ついでスクリーンのなかの霊柩車について語る口調は、若き日の種村先生の映画評論を思い起こさせます。信じようと信じまいと迷信はそこにある。楽しまなくては損ではないか。
読了日:08月04日 著者:種村 秀弘

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