六車由実ー『介護民俗学という希望』

介護民俗学という希望: 「すまいるほーむ」の物語

介護民俗学という希望: 「すまいるほーむ」の物語

述べられていることにはかなり異論があるものの、こういう試みを綴った本が文庫化されることは喜ばしい。

介護報酬改定の影響をもろに受けて、本も読めない散歩も出来ないそもそも休みが半日しかとれない日々が続いているので、聞き書きなんかこのクソ忙しいなか出来てたまるかよ!という著者の同僚の怒りはものすごくよくわかるんですよね。その中で、この著者はそういう同僚の怒りに反発を感じながらも、ちゃんと臨床の現実を見る目を獲得している。つまりこれは民俗学者どうこうというより、一人の新米介護士の成長の本です。著者の意図とは違うだろうけど、この本において民俗学ははっきりいっておまけ。そこは勘違いしてほしくないな。