6月の読書メーター まとめ

6月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:5491
ナイス数:236

口から食べる―嚥下障害Q&A口から食べる―嚥下障害Q&A
読了日:06月29日 著者:藤島 一郎
チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 (ちくま新書)感想
構造構成主義という理論の視点から書かれた組織論。一人でできることは限られているので、人はチームを作る。しかしチーム内では対立が産まれ、しばしば崩壊へと突き進んでしまう。対立を解消するためには感情に引っ張られず、誰もが辿れば納得できる論理で動けばよい、というような内容。著者の寄って立つ構造構成主義というのがよく分からず、ごく当たり前なことが書いてある気もします。出て来る例えが進撃の巨人とかミスチルとか、同じ年齢とは思えない。気持ちの若い方だなあ。
読了日:06月27日 著者:西條 剛央
ピック病―二人のアウグスト (神経心理学コレクション)ピック病―二人のアウグスト (神経心理学コレクション)
読了日:06月25日 著者:松下 正明
ホノルル、ブラジル―熱帯作文集ホノルル、ブラジル―熱帯作文集感想
再読。前回は灼熱の都市名古屋にある愛知県図書館で2009年ごろに読んだ。名古屋は国際都市であり、ブラジル料理屋も点在しており、こういう本を読みたくなる気持ちにさせる街だ。9・11の光景を胸に刻みつけた著者はロンドンに講演に行き、ホノルルでオックステールスープを食べ、と、あちこち滑走する。特にこの本に結論はないけれど、しいて主張めいたことを抽出すると、異文化に対して構えるな、飛び込んで味わえ、ということかな。
読了日:06月24日 著者:管 啓次郎
南方熊楠 菌類図譜南方熊楠 菌類図譜感想
ワタリウム美術館にて2007年に開催された展覧会の図録。これ観に行って感銘を受けた記憶はあるのですが、この本の冒頭で館長が書くように「どうしても自然科学的な成果、例えば菌類を広く集めて分類し、説明を施し図にあらわすということだけに留まっていないと私は感じるのです」と思ったかというと、全く逆でした。巻末には国立科学博物館植物研究部の方が文章を寄せてますが、これまで熊楠の図譜がボタニカルアートとして扱われた歴史を述べた後「熊楠の意思に添う活用方法は、やはり自然史研究に利用することだろう」。こちらの意見に賛成。
読了日:06月24日 著者:萩原 博光
「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝感想
昭和四十年代に絶大な人気を得、その後「あの人は、わたしたちを騙していたんです」と当時少女だった人達から言われてしまうようになった作家の評伝。ジュニア小説から官能小説に転向したと思われがちだが、実際は発表舞台を選ばず常に自分の書きたいものを書き続けた作家だった。朝鮮で生まれ引き揚げ船で福岡に渡った少年時代。苦学生だった早稲田時代。大江健三郎小田実などの観念的で群れる作家らを軽蔑し文壇から距離を置いた生き方。富島の作品にはストイックに生きる少年少女の生と性が凛々しく描かれます。その源泉がわかる一冊。
読了日:06月23日 著者:荒川 佳洋
終末期リハビリテーション―リハビリテーション医療と福祉との接点を求めて終末期リハビリテーション―リハビリテーション医療と福祉との接点を求めて
読了日:06月23日 著者:大田 仁史
在宅リハビリテーション栄養在宅リハビリテーション栄養
読了日:06月22日 著者:若林 秀隆
よみがえる古代文書―漆に封じ込められた日本社会 (岩波新書)よみがえる古代文書―漆に封じ込められた日本社会 (岩波新書)感想
古代、漆は貴重品であった。容器に保管された漆液は、落し蓋のように和紙を密着させ大切に保管された。しかし当時紙は貴重品であったので、蓋にされたのは公文書の反故であった。漆でコーティングされたふた紙は捨てられた後も腐食せず地下で生き残り、1973年、多賀城発掘の場で、約1200年ぶりに我々の前に姿を表すことになった。ふた紙の大きさの反故ですから読み取れる文字は僅かですが、そこに書かれているのは例えば「九九八十一」。あるいは手習いのあと。かけらのような文書からその全体像を推理していく過程に興奮させられます。
読了日:06月21日 著者:平川 南
きみが心は―自選青春小説〈7〉 (集英社文庫)きみが心は―自選青春小説〈7〉 (集英社文庫)感想
コバルトの印象が強いです。後に官能小説も多く手がけられますが、媒体が変わろうと描いたのは一貫して青春時代だったのではないでしょうか。この文庫には短編が二つ。男子は下駄履いて登校し、女子は家で着物着てる昭和ヒトケタ世代の話です。その頃はどうせ男尊女卑の恋愛なんでしょ?と過去を十把一からげに批判する方々からはバッサリ斬られそうな時代背景ですが、主人公の少年は母を亡くしており、毎日の弁当を自分でこしらえています。女子もかなりしたたかで意地悪。男女関係、時代ごとに括ることの出来るような単純なものじゃないですよね。
読了日:06月18日 著者:富島 健夫
想い出のブックカフェ 巽孝之書評集成想い出のブックカフェ 巽孝之書評集成感想
巽さんは1955年生まれ。冒頭、本と喫茶店について想い出が語られています。本をサカナに仲間たちと喫茶店で延々激論を戦わせた青春時代が回顧されます。それはゼミなどの堅い場とは違った楽しさがあったのだと。羨ましいぞ。私、青春時代に本の話なんか誰とも出来なかったなあ。時代は変わり今は21世紀。もう青春は遠い昔ですが、ここのような仮想空間でみなさんと本の話が日常的に出来てるわけで、ほんとありがたいことです。本書のメインは新聞書評ですが、人脈が透けてみえて、ちょっと胡散臭い。高山宏ほかとの対談の方が面白いかな。
読了日:06月18日 著者:巽 孝之
SummerlongSummerlong感想
『最後のユニコーン』の著者の最新作。舞台は海辺の街シアトル。引退した歴史学者でありハーモニカ吹きでもあるAbe(日系アメリカ人?)と年輩のスチュワーデスのJoannaの共同生活。恋愛感情あるような、ないような微妙な関係の二人。ある日出かけたレストランで不思議な魅力を持つウェイトレスに出会ったところから、彼らの生活は少しずつ変わり始める。あれ?これただのドロドロ恋愛小説じゃない?どこがファンタジーなの?と途中まで思ってましたが、読んでいるうち西洋文化史の根底へと誘われます。人はいつまでも成長し続けるんだな。
読了日:06月18日 著者:Peter S. Beagle
リハビリテーション栄養ハンドブックリハビリテーション栄養ハンドブック
読了日:06月16日 著者:
富士講の歴史―江戸庶民の山岳信仰富士講の歴史―江戸庶民の山岳信仰感想
戦災で家を失い勤め人となった著者は、それまでの山歩きの趣味を断念する代わりに富士塚巡礼をするようになり、各地の富士塚を守っている富士講の方々と話すうち研究にのめり込んでいったそうです。富士講史を辿り、角行・身禄といった行者達の生涯を描いています。図版が多く挿入されていて、マネキ(講の印入りの小旗)の写真には、あれこういうの子供の頃どっかでみたぞと。どこでだったかなあ。著者の文献探しのエピソード、大胆な反則技も使ってらっしゃるのですが、よほど読みたかったんだろうなあという思いが伝わってきて、にくめません。
読了日:06月15日 著者:岩科 小一郎
言語学への開かれた扉言語学への開かれた扉感想
初学者向けの入門書。といっても、ちょっとクセのある内容で、著者の専門を反映し、東ヨーロッパにかなりのボリュームが割かれています。第1部『言語学へのいざない』は各分野ごとの文献案内。第2部は各種のエッセイ。第3部は言語学者の評伝です。魅力を放っているのは第1部。文献案内から、扉の奥へと辿って行きたくなります。
読了日:06月12日 著者:千野 栄一
南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫)南方熊楠 地球志向の比較学 (講談社学術文庫)感想
十数年ぶりの再読。熊楠の生涯と、遺した仕事について丁寧に解説されています。鶴見自身の仕事や関心に引きずられている箇所もありますが、それもこの本の味になってます。今回読み返して感じたのは、「人の交りにも季節あり」という熊楠の他者との付き合い方の見事な一貫性。牧野富太郎は熊楠没後、熊楠は牧野に礼を尽くさなかったと皮肉交じりに評したようです。しかし熊楠は、勝手に熊楠の師を自称した牧野に対してだけでなく、柳田國男とも孫文とも同様の付き合い方を貫いてます。浅薄な社交よりも自らの生き方を大切にする姿勢、見事です。
読了日:06月11日 著者:鶴見 和子
ビジュアルでわかる早期経口摂取実践ガイドビジュアルでわかる早期経口摂取実践ガイド
読了日:06月09日 著者:小山珠美
中井久夫 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)中井久夫 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)感想
ファンの多い方です。このムックでも、精神科医臨床心理士のほか作家、編集者、哲学者などが論考を寄せています。私にとっての中井久夫の著作は、コメディカルとして日々ぶつかる壁への示唆を与えてくれるヒント集です。医療者がうっかりすると陥る、患者を研究対象としてしまう過ちを諌めてくれる倫理的なテキストでもあります。医療以外の物の見方、本の読み方にも学ぶところが多いです。この方の品格、学び取りたいけれども、道は遠く険しいなあ。原武史との未公開対談では、明治以降の天皇制について語られており読み応えあります。
読了日:06月08日 著者:
万葉びとの宴 (講談社現代新書)万葉びとの宴 (講談社現代新書)感想
万葉集を資料として、7ー8世紀の宮廷社会における宴の様相を描き出す試み。そういう意図なので、取り上げられるのは巻五から二十まで。白川静流にいうと後期万葉のみです。「和することこそ、政治の原点ではないのか?」と考える著者は、宴で交わされる歌から当時の宮廷の人間模様をあぶり出そうとします。例えとしてカラオケや大阪の漫才師が出てきたり、各章の最後に「ここで金言を」と著者の人生訓が開示されたりするのがちょっとシラケます。宴会でお酒飲んで騒ぐのが好きな人なら楽しめる本かもしれません。私は、そういう場、苦手。
読了日:06月07日 著者:上野 誠
カラー版 - 東京いい道、しぶい道 (中公新書ラクレ)カラー版 - 東京いい道、しぶい道 (中公新書ラクレ)感想
お散歩エッセイ。地区ごとに章立てされてます。こういう本を読むときは、まず自分にとって馴染みのある地域の章を読んで、著者と感覚が合うかどうかを判断するのですが。城東の鹿骨街道、亀戸中央通り、十間橋通り。城南の西大井のんき通り、馬込三本松通り。うーん、取り上げてくれたのは嬉しいけどなあ、もうちょっと突っ込んでほしいなあ、な感じ。そんな深いものを求めてはいけない類の本なのかもしれないな。「あれ?イズミさんじゃないの」とか声かけられちゃうみたいで、テレビに出てる人は散歩してる時ですら匿名性保てないんだなあ・・
読了日:06月06日 著者:泉 麻人
雉子日記雉子日記感想
1937ー1938年の軽井沢にて結核に侵されながら綴られたエッセイ。リルケサナトリウム、コテージと、まんまジブリの世界。そんな読後感持たれるとは堀辰雄さん思いもしなかったでしょう。ごめんなさい。戦争の影は本書中には感じられず、意図的に排除されてるのだと思われます。しかし死の影は濃厚。ドイツやフランスの詩人と、更級日記や能の世界を往復しながら道を探っている印象を受ける随筆群です。序に代えて収められている『木の十字架』は当時建ったばかりの聖パウロカトリック教会を舞台に描かれる立原道造への透き通った追悼文。
読了日:06月06日 著者:堀 辰雄

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