読書と散歩

そのまんま。

5月の読書メーター まとめ

5月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:4079
ナイス数:187

実践で身につく! 摂食・嚥下障害へのアプローチ ~急性期から「食べたい」を支えるケアと技術~実践で身につく! 摂食・嚥下障害へのアプローチ ~急性期から「食べたい」を支えるケアと技術~
読了日:05月30日 著者:
知の旅への誘い (岩波新書)知の旅への誘い (岩波新書)感想
今は時代の転換期、学問や理論の在り様が根元から問い直されている、と前書きで書かれるこの本。うっかり現在のことと捉えそうになりますが、この本の出版は1981年。こういうことってずっと前から毎年誰かによって言われてる決まり文句なのかもしれませんね。知の隠喩としての旅が前半は中村雄二郎さんによって、後半は山口昌男さんによって描かれます。中村さんは歩くことや食べることと知の関係から共通感覚について論じています。例として挙げられるシチリア島のレモンジュースの美味しそうなこと!山口さんパートは道化の話題中心です。
読了日:05月28日 著者:中村 雄二郎,山口 昌男
詩人たち―ユリイカ抄 (1971年) (エディター叢書)詩人たち―ユリイカ抄 (1971年) (エディター叢書)感想
雑誌『ユリイカ』を立ち上げた伊達得夫の遺稿集。神保町ならぬ神田ビンボー町で、那珂太郎、島尾敏雄、谷底落太郎こと谷川俊太郎安部公房草野心平らと喫茶店や居酒屋で繰り広げていた、ろくでもない日々。ダメな人揃い踏みですが、際立ってるのはやはり稲垣足穂。居酒屋で取り巻きにたかられている姿の描写、ため息が出ます。この世を去る前に書かれた『りんごのお話』は、大学卒業と同時に迫る出征を控え、この世の見納めにと木曽路を辿る一人旅の話。青森駅前の旅館に入ったところでブツ切れに終わり、未完のまま我々の前に投げ出されます。
読了日:05月27日 著者:伊達 得夫
哲学な日々 考えさせない時代に抗して哲学な日々 考えさせない時代に抗して感想
西日本新聞に連載されたエッセイ全50回分を中心に、文庫の解説文などをまとめた内容。うーん。かるーくさらさらと読めるんだけど、ちょっと物足りないなあ。著者の言いたいことは、新聞エッセイの1〜10回分までに濃縮されている。哲学とは、過去の西洋の哲学者の考えたことや生涯を学ぶことではなくて、自分を問い直すこと。そりゃそうだ。前者は哲学じゃなくて、哲学史ですよね。
読了日:05月26日 著者:野矢 茂樹
鎌倉と京 武家政権と庶民世界 (講談社学術文庫)鎌倉と京 武家政権と庶民世界 (講談社学術文庫)感想
保元の乱から始まり、鎌倉が文字通り燃え尽きるまで。鎌倉と京都を行ったり来たりしながら描かれる通史。著者自身認めているように文庫450ページ程度の容量でこの時代を描くのには無理があり、やむなく切り捨てた要素に忸怩たる思いがあるようです。興味深かった指摘は、鎌倉の若宮大路に沿って小川が明治15年頃までは流れていたこと。都市を貫く河は彼岸と此岸を分かつ場であり、神の通り道であり葬送の地であった点で京の鴨川と鎌倉の若宮大路は重なること。そういう場所に立てられた二条河原落書。無性に徒然草を読み返したくなりました。
読了日:05月24日 著者:五味 文彦
縄文とケルト: 辺境の比較考古学 (ちくま新書1255)縄文とケルト: 辺境の比較考古学 (ちくま新書1255)感想
日本列島とブリテン島は、共にユーラシア大陸の端にある島々である。大陸中央部で産まれた文明はそれぞれの島にどう影響したか。ケルトと呼ばれる人々が大陸からブリテン島に渡ってきたとこれまで言われてきた。実際は、技術や思想の伝播を、後世の人々が〈ケルト〉という観念でドラマチックに叙述したのである。一方日本列島は海により漢の支配下から逃れ、民族アイデンティティ古墳時代には明確化させた、という内容。遺跡巡りに使えそうな旅行記にもなってます。英国は遠いので、まず加曽利貝塚に行きたいな。
読了日:05月21日 著者:松木 武彦
書物学 第10巻 南方熊楠生誕150年書物学 第10巻 南方熊楠生誕150年感想
熊楠生誕150年特集目当てで読みましたが、そちらは読みどころ特に無し。先日ご逝去された渡部昇一氏のインタビューが目を引きます。『知的生活の方法』そのままの書斎の写真が味わい深いです。言うこと書くこと、ことごとく何言ってんだこの人、という感想しか抱けない学者さんでしたが、本は心の底から大好きだったんだろうなあ。本好き同士だからといって意気投合できるとは限らないという教訓を頂いたと思いつつ、ご冥福をお祈りします。
読了日:05月19日 著者:
夏の姉を撮る―写真をめぐる小説20章夏の姉を撮る―写真をめぐる小説20章感想
副題のとおりの短編集。こんなに世の中写真家や小説家という職業の人々がうろうろしてるのか、こんなに簡単に結婚してあっさり離婚するのか、という気もしますが、片岡義男さんの描く世界の中の出来事なのでそれでいいのです。冒頭の短編は、澁澤龍彦矢川澄子の残酷なエピソードを思い出させる話。後半におさめられている短編には、あれ、こういう二人の関係も書きますか?というのが混じっています。離婚して三年目の男性を描く『彼女のいないテーブル』が、その爽やかさゆえに本書中のベストショット。
読了日:05月17日 著者:片岡 義男
思考と論理 (ちくま学芸文庫)思考と論理 (ちくま学芸文庫)感想
思考とは大げさなものではなく日常で我々が思うことが全て思考である。論理的であるとは言語規則に従っているということ。そう述べられた後中盤まではコツコツと証明が行われます。残りのページでは、論理的という言葉には論理学的な意味と審美的な意味の二種類あること、「脳が計算する」という言い方がナンセンスなこと(養老孟司との全く噛み合ってない対談を思い出しました)、宇宙の始まり以降に人間が生まれ、言語により行ってきたこととは、というところまで話が広がります。計200ページに満たない分量ながら、かなり歯ごたえあります。
読了日:05月16日 著者:大森 荘蔵
最期まで口から食べるために①最期まで口から食べるために①
読了日:05月16日 著者:牧野 日和
畸形の神 -あるいは魔術的跛者畸形の神 -あるいは魔術的跛者感想
著者最晩年の書。昔話や神話では身体障害が優越性の前提になることがある、一方近代小説では結核やこころの病いなどが重要なモチーフになる、という視点が提示された後、古今東西の神話や小説がその視点で分析されていきます。種村さんのこれまでの訳業や著作の総決算という感じで、ドスンときます。テーマがテーマなので読んでて若干抵抗ある表現もありましたが、種村さんの仰るように「あくまでも表象としての畸形」なので、現実の障害と混同する愚は避けたいです。身体的思考を古代に遡っていくこの強靭な方法論、学ぶところが多いです。
読了日:05月14日 著者:種村 季弘
遠近の回想遠近の回想感想
何度目かの再読。読み返すたびに発見があるインタビュー。これまでの人生を振り返りつつ、学者や学生、フィールドワークで出会った人々、画家などとの交流が語られていきます。著作について自ら解説し、出版時に寄せられた批評に対しての率直でかなり激しいコメントが吐露されます。今回読み返して興味深かったのは、神話研究について自身の立場を端的に語ってくれている第十五章と、ルソーの著作に対しての微妙な心情を語っている第十七章。「テレビはほとんど見ません。テレビを見ていたら、本を読む時間などありませんよ」。まったくだ。
読了日:05月14日 著者:クロード・レヴィ=ストロース,ディディエ・エリボン
J-POP進化論―「ヨサホイ節」から「Automatic」へ (平凡社新書 (008))J-POP進化論―「ヨサホイ節」から「Automatic」へ (平凡社新書 (008))感想
我々はかつて浪花節に嫌悪感を示しピアノにうっとりしていた。しかし今は和洋折衷の曲を楽しんでいる。これはコロニアリズムから脱却しつつあることの反映では?という問いから始まる本。このテーマは大瀧詠一さんのポップス伝を想起させます。が、方向は全く真逆。進化論になぞらえてとらえようとしたことがこの本の誤りではないでしょうか。ヨサホイ節より宇多田ヒカルの方が進化してるなんて本当に言えるかしら。変質はしてるけど、それは進化かしら。この本にも取り上げられている『イエローサブマリン音頭』。あれ、進化の歌じゃないよなあ。
読了日:05月09日 著者:佐藤 良明
七つの愛と死 (1957年)七つの愛と死 (1957年)感想
愛と死に関する作品を選んだと後書きにあります。自己破壊の道を突き進む村山槐多と、それに巻き込まれる周囲を描く壮絶な『村山槐多の死』。高村夫婦のあたたかさと悲しい道行の記録『高村光太郎』。焼け跡で生きる姉弟の貧しい生活の崩壊を綴る『天に登る』。とうの昔に諦めていた恋の再燃がもたらす絶望を、蓼科の自然を舞台に描く『青の門』。コノハヅクを飼い看病する話『フウ』。ことごとく死の物語。登場人物らの精一杯生き切っている姿に打たれます。『青の門』の男女は例外。堕落ゆえの絶望かな。終わりの二編は、賢治を彷彿とさせる童話。
読了日:05月07日 著者:草野 心平
史書を読む (読みなおす日本史)史書を読む (読みなおす日本史)感想
今は亡き古代史の大御所が史書について説いてくれる楽しい読み物。『続日本紀』の章では、桓武天皇が自己の治世を勅撰国史に叙述させ、その後都合の悪い記事を削除させたことが述べられます。〈みっともない〉〈現代史は恐ろしい。これは今日にも通ずるわれわれへの教訓〉と手厳しいです。最後の章では田口卯吉について、今読むと欠点の多い『日本開化小史』よりも古来の史書を活字刊行したことを評価し〈史論はいかに花々しくても、時代が変われば色あせる。根本史料となる史書は不朽の生命を持ち続ける〉と結ばれます。史書、もっと読んでみよう。
読了日:05月06日 著者:坂本 太郎
高齢者の摂食嚥下サポート -老嚥・オーラルフレイル・サルコペニア・認知症-高齢者の摂食嚥下サポート -老嚥・オーラルフレイル・サルコペニア・認知症-
読了日:05月04日 著者:若林 秀隆
日本語アカデミックライティング (放送大学教材)日本語アカデミックライティング (放送大学教材)
読了日:05月03日 著者:滝浦 真人,草光 俊雄

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