2月の読書メーターまとめ

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:7341ページ
ナイス数:611ナイス

昭和の洋食 平成のカフェ飯―家庭料理の80年昭和の洋食 平成のカフェ飯―家庭料理の80年感想
タイトルから想像されるものと中身がずれている本。マンガやドラマの食卓から振り返る戦後女性史、という感じ。『金曜日の妻たちへ』、『美味しんぼ』、『料理の鉄人』、槇村さとる。そういうものに関心があればきっと楽しめる本だと思います。私はこれらのドラマや漫画の持つ雰囲気が苦手なので全くのれないまま流し読みしました。「社会学視点から、社会が抱える課題に切り込む」と著者紹介にあるのをみて、社会学の人達が料理を論じると、おいしくなさそうになるのはなんでだろう、と思っちゃいました。ご飯って、考えすぎるとまずくなるよ。
読了日:2月27日 著者:阿古真理
観光―日本霊地巡礼 (ちくま文庫)観光―日本霊地巡礼 (ちくま文庫)感想
絶頂期の中沢新一YMO散開直後の細野晴臣による、神社巡りをしながらの対談集。天河大弁財天社に始まり北口本宮冨士浅間神社までの巡礼です。文庫版語り下ろしの場は諏訪大社。中学校の図書館で、当時ファンだった細野さん目当てで読み耽って以来の再読です。円盤、ゼビウスカスタネダ、ガイア。ああ、すごく80年代オカルト・・・。途中で記号論の方法論が否定的に語られ、それに対する希望としてフラクタル理論が挙げられる箇所がありますが、この辺りは今読んでも引き込まれます。霊地に行くのは物見遊山感覚がいいよ、というのも共感。
読了日:2月27日 著者:中沢新一,細野晴臣
石の虚塔: 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち石の虚塔: 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち感想
旧石器捏造事件を取り上げたノンフィクション。事件をストレートに取り上げるのではなく、岩宿遺跡に関わった相澤忠洋はじめ各氏の人生を辿ることで、考古学界自体に特定の人物を神様扱いしてしまう傾向が元々あり、それが捏造事件発生の根本にある、と主張されています。気になったことが一つ。事件の中心人物が抱えているとされている障害について嘘と断じ「怪物」とまでお書きになっていますが、こういう言説は当否関係なく、これまで繰り返されてきた障害者差別そのものです。部落問題については熱心な方の著作だけに残念でした。
読了日:2月26日 著者:上原善広
國學院大学博物館國學院大学博物館感想
正直、渋谷Bunkamuraに行ったついでに立ち寄ったのですが、本来の目的を覆すほどに充実した美術館でした。企画展で行われていた〈祭祀と神話〉もよかったですが、常設展もなかなか。考古・神道・校史の3セクションに分かれており、校史なんてどうでもいいと思いそうになりますが、そこは國學院折口信夫の箱根の書斎の再現なんてされてしまったら素通り出来ません。神道のセクションは日本宗教史を概観出来ます。神田明神の要石と鯰の曳き物のジオラマ、惹きつけられます。この図録は、アンケートに記入すると無料で頂くことが出来ます。
読了日:2月26日 著者:
これぞ暁斎!展これぞ暁斎!展感想
絵自体は素晴らしかったですが、残念な展覧会でした。美術の観点からしたら、これでいいのかもしれません。でも史学・民俗学的関心からすると、陳列の仕方にも解説文にもガッカリでした。ゴールドマンというディーラーのコレクションに基づく展覧会であり、氏の考える暁斎像の紹介の場となった事情もあるのでしょうが、「暁斎は楽しい」で済ませるのは英国ではいざ知らず、母国でやる展覧会でそれでは浅すぎでしょう。見世物、大英博物館、妖怪、死と生(性)、動物達・・・。切り口はいっぱいあるのに全て表面を撫でてるだけ。ああ、もったいない。
読了日:2月25日 著者:及川茂
浄のセクソロジー (河出文庫)浄のセクソロジー (河出文庫)感想
南方コレクション全5巻のうち、一番最後に残しておいた巻。読むの勇気がいりました。セクソロジー研究とありますが、実質古今東西の猥談を縦横無尽に引用し「飯も雪隠行きも忘れるほど面白くなる」文を書いてやるぞワハハハハというノリノリの南方先生、の巻です。後半の岩田準一宛て書簡集では、男色研究の後輩である岩田を叱咤激励する熊楠の姿勢に胸を打たれます。書簡中で柳田國男は激烈に批判され「気骨の乏しき人で、深く博く事物を研究せず」と容赦無くコテンパン。「この人のが暁斎の次」と太鼓判を押す川島草堂の狂画、観てみたいなあ。
読了日:2月25日 著者:南方熊楠
更級日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)更級日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫)感想
オフ会のテーマ本について意見交換する中で思い出し、仕事帰りに古本屋で購入。30分もあれば読めます。少女が憧れの源氏物語にうつつを抜かし、気がついたら時は過ぎお婆さんになっていた。思えば現実世界の様々な事をおろそかにしたものよ。あんな作り話なんかに耽溺しなければもっと違った生き方が出来たろうに、と悔いつつ今更物語中毒から抜けられない、という話と読みましたが、解釈は様々でしょう。解説では仏教への傾斜が強調されてますが、書かれた時期を考えるとそれを強調するのはどうかな。上総から京への紀行文としても楽しめます。
読了日:2月22日 著者:
魯庵随筆 読書放浪 (東洋文庫)魯庵随筆 読書放浪 (東洋文庫)感想
生後一ヶ月にして上野戦争の銃弾を浴びた魯庵にとって、銀座はモダーンな気になる街である反面、「薄つぺら」な街でもあったようです。読書とは最新の時代に触れるためのもの、古書を珍重するは死んだ読書と書く一方で、「古きを生命とする」集古会の面々と古書に耽溺しています。最新の街並みや書籍も楽しみつつ、その浅さも見通し、江戸文化との行き来を意識的にしているスタイルに共感を覚えます。せっかく本を読むのだから現代にも過去にもとどまりたくはないな。「東西愛書趣味の比較」は古今東西ペルシャにまで及ぶメディア史で圧巻。
読了日:2月21日 著者:内田魯庵
実況・料理生物学 (文春文庫)実況・料理生物学 (文春文庫)感想
阪大の一年生向けに行われていた講義の記録。著者の専門は神経生物学。『焼肉の生物学』は学生時代の解剖学講義を思い出しました。コラーゲン食べても飲んでもお肌すべすべにはなりませんよという話も、教室で何回も聴いた覚えがあります。学生達にわかりやすくする為、多くの先生が講義で使う手法なのでしょう。それにとどまらず、文理の壁を行き来するエピソードを随所に挟んでいることがこの本の特色です。レイチェル・カーソン沈黙の春』がDDTを告発した功罪。ベーグルの製法に籠められたユダヤ精神。科学史の本としても面白く読めました。
読了日:2月20日 著者:小倉明彦
測量野帳スタイルブック (エイムック 3514)測量野帳スタイルブック (エイムック 3514)感想
濡れや汚れもなんのその。立ったままでもしっかりかける硬い表紙。優れた携帯性。しかも安価。仕事場でも私生活でもすっかりお世話になっている測量野帳。ですが、測量士では無いので、本来の用途を離れた使い方をしていることにやや後ろめたい気持ちも持っています。このムックにはほんのちょっとですが、本来の使い方の解説が載っていて、測量士さん達からすれば噴飯ものでしょうが「おおお!」と感じ入るものがありました。後半は測量士さん以外の多様なユーザーの使い方が紹介されてます。台所の上からクリップで吊るす使い方、アリだな、これ。
読了日:2月19日 著者:
仰向けの言葉仰向けの言葉感想
美術論集。前半は評伝に近いスタイルのエッセイ群。後半は絵を描く、写真を撮る、作品を観るという行為の意味について考察された文章が並んでいます。既知の作家ではサイ・トゥオンブリーについて書かれた『深海魚の瞳』が、未見の作家では菊池伶司について書かれた『北へ、あるいは、たどり着けないイマージュへ』が印象に残りました。巻末の『スターキングはもう作られていませんと彼は言った』は堀江さんにしては珍しい感情の滲む、読む側の心も突き動かされる文章。描き手では無い我々にとっての絵や写真とは、確かにそういうものですね。
読了日:2月19日 著者:堀江敏幸
万年筆インク紙万年筆インク紙感想
一冊まるごと万年筆と紙について書かれた本。万年筆を持った時の感覚、横文字と日本語を書くときの違い、等、万年筆を日頃使っている方が読むと「そうそう!」となるのだろうと思います。万年筆を持ったことすらない私には意味のわからない箇所も多かったですが、セーラー万年筆ハイエースにちょっと興味がわきました。片岡義男さんの文房具についての文章は、いつも楽しそうだなあ。
読了日:2月18日 著者:片岡義男
河鍋暁斎戯画集 (岩波文庫)河鍋暁斎戯画集 (岩波文庫)感想
展覧会開催も近づいてきた暁斎の戯画集。見所はイソップ物語の挿絵。訳者が原本にした英訳本の挿絵が『不思議の国のアリス』のジョン・テニエルだったそうで、暁斎テニエルの絵がそれぞれ1ページに纏められ比較出来るようになってます。テニエルの絵はクール、暁斎は動、という感じ。他にも当時の本の挿絵が沢山収められています。動物も物の怪も骸骨も弥次喜多も、動き、騒ぎまくっています。各絵に添えられた解説は、解説というより編者自身の厭世観のたれ流しですが、暁斎の絵の添え書きはそれでいいのだという気もします。展覧会が楽しみだ。
読了日:2月15日 著者:河鍋暁斎
口から食べる幸せをサポートする包括的スキル: KTバランスチャートの活用と支援口から食べる幸せをサポートする包括的スキル: KTバランスチャートの活用と支援
読了日:2月14日 著者:小山珠美
初期万葉論 (中公文庫BIBLIO)初期万葉論 (中公文庫BIBLIO)感想
中国の『詩経』を用いて、万葉集比較文学的に分析されます。万葉集成立に至る60年ほどの期間中には社会の意識改革が起こっており、歌もその影響を受けている。初期の歌は儀礼歌・呪歌であり、そこに個人の想いの介在する余地は無い。律令制への移行などを契機に初めて、儀礼的な意図を離れた叙景歌が成立する。この流れを意識せず初期の歌に文学性を読み取ろうとするのは史的倒錯である、と、そのような作家や文学者を厳しく批判しています。草摘みや宿る行為の持つ呪術的意味とは何か?著者の情熱に煽られ本を閉じることが出来ませんでした。
読了日:2月13日 著者:白川静
森の思想 (河出文庫)森の思想 (河出文庫)感想
冒頭に中沢新一の100ページを越える解題あり。第一部は〈植物学論文集成〉となっていますが、ほぼ全て書簡なので、粘菌について書かれた行の次に南方家の近況報告が述べられたりします。第二部は〈森と政治〉。下ネタと皮肉満載の長々とした候文。巻末に収められた名高い『神社合祀に関する意見』に到っては、合祀を奨励しつつ愛国心を鼓吹する政府の姿勢について「何ぞ下痢を停めんとて氷を喫うに異ならん」と揶揄しています。森と民俗と宗教を不可分に考えていたことが、頭の中を未整理のままぶちまけたような書簡文から熱く伝わってきます。
読了日:2月12日 著者:南方熊楠
知の仕事術 (インターナショナル新書)知の仕事術 (インターナショナル新書)感想
関心を持つ対象や幅はとても親近感を感じるのですが、手に取って読んでみるとあちこちひっかかる。池澤夏樹という方は私にとってずっとそういう人でした。この本の表題を見て、うわっ、ついにこういうテーマで書いちゃうようになったかとビックリ。そして内容をみて、ああこの人は自分が知識人だと思ってるんだ、そうでない人にものの見方を啓蒙することが役割と自認されてるんだと納得。お書きになる文章にいつも感じる違和感の原因は、おそらくその啓蒙臭だなあ。池澤さんが思ってるほど世の中の人達ぼんやり生きてませんよ、と言いたくなります。
読了日:2月11日 著者:池澤夏樹
歩くひとりもの (ちくま文庫)歩くひとりもの (ちくま文庫)感想
晶文社の編集者として活躍された津野さんのエッセイ集。執筆当時50代前半だった著者が、自らの生活や先達の作家・思想家の生き方に触れながらシングル生活について考えを巡らせています。独身者の部屋は棺桶に似ている、片岡義男の小説はユートピア小説である、などの指摘にハッとさせられました。こういうテーマで書き続けることによって「ひとりものとしての自意識がつよくなりすぎた」と内省された後、自分は主義でなく習慣としてひとりものになっているのだ、と結論付けてらっしゃいます。巻末の関川夏央山口文憲との鼎談が本書の山場。
読了日:2月9日 著者:津野海太郎
天災と日本人: 地震・洪水・噴火の民俗学 (ちくま新書 1237)天災と日本人: 地震・洪水・噴火の民俗学 (ちくま新書 1237)感想
災害に対する近代以前の人々の対処法を辿ることで、日本人の心性史を探ろうとされています。水害、地震津波、噴火・山体崩壊、雪害・風害。記憶に新しい出来事にも多く触れられるため、読んでいて辛くなる箇所もあります。古代から災害を経験するたび、生き残った人達はその土地その時代の習俗で災害を鎮めようとしていたこと。後世に向けて様々な形で伝承しようとしていたことがよくわかります。にもかかわらず我々が忘却・油断しやすいことも。終章ではコミュニティの重要性が語られ、地域は自然や死者の魂と共にあることが強調されています。
読了日:2月8日 著者:畑中章宏
生きているジャズ史生きているジャズ史感想
各種雑誌の記事やライナーノーツでお名前は存じあげてましたが、まとまった文章を読むのは初めてです。大橋巨泉の更に前の世代の方なので当然なのですが、いわゆるジャズ業界べたべたの文体・シャレ満載です。それがうけた時代だったのでしょうが、差別語連発、しかもそれがシャレてるつもりで書かれてる文を読むのはかなり苦痛でした。ロイ・エルドリッジが受けた人種差別について真摯に取り上げて論じているところは救いがあります。未だに拒否反応を示す人が多い電化マイルスやオーネット・コールマンを肯定的に書いているところもよかったです。
読了日:2月8日 著者:油井正一
死の民俗学―日本人の死生観と葬送儀礼死の民俗学―日本人の死生観と葬送儀礼感想
英国の歴史家によって「壺に死者の灰をうやうやしく保存する」日本人の風習が「奇異なる風習」と叙述されていることが最初に述べられ、中原中也の「ホラホラ、これが僕の骨だ」の引用へと続きます。我々の現在の葬送儀礼はどのようにして成立したのかを探っていく内容です。ここまで天皇制について述べられるのは、1990年の出版ということも関係してるかな。なぜ我々は遺骨にこだわるのか。殯の慣習に対して明治維新神仏分離が与えた影響。御霊と物の怪、そして空海。死は医学的なものであると同時に文化的なものだと実感できる内容です。
読了日:2月7日 著者:山折哲雄
ヴァレリー詩集 コロナ/コロニラヴァレリー詩集 コロナ/コロニラ感想
ヴァレリーが最晩年、最後の恋の相手に贈った詩篇をまとめたもの。お相手にとってはヴァレリーは多くの愛人の一人でしかなかったようです。彼女自身が晩年競売にかけ、2008年にこの詩集が出版されたとのこと。中井久夫先生が「五官を動員しての、ヴァレリーの想起力」とあとがきで書かれるように、エロチックできわどいイメージがふんだんに散りばめられています。燃え盛る性愛といった感じの詩の束を、冒頭と巻末の失恋の悲しみをうたう詩でサンドイッチする構成で、失ったばかりの恋愛を死の直前に振り返る詩人の絶望が伝わってきます。
読了日:2月5日 著者:ポール・ヴァレリー
魔術的リアリズム―メランコリーの芸術 (ちくま学芸文庫)魔術的リアリズム―メランコリーの芸術 (ちくま学芸文庫)感想
1920年代、ヴァイマール共和国にて表現主義への反対命題として登場し、ナチス成立によりあっけなく終わった美術界の現象について書かれています。8名の画家については代表的作品の解題が行われます。静かで美しい作品群です。特に表紙を飾るエレボー『隠者』、草創期の飛行機へのこだわりが足穂を思わせるラジヴィルの『ストライキ』、シュリンプフ『窓辺の少女』が印象的です。後半ではオランダやアメリカへの影響にも触れられます。2004年にキールで回顧展が行われたと解説にあり、地図検索しました。遠いな・・。
読了日:2月5日 著者:種村季弘
<40男>はなぜ嫌われるか (イースト新書)<40男>はなぜ嫌われるか (イースト新書)感想
表題通りの内容の本。身綺麗にしなさい、仕事以外の仲間を作ろうよ、若い女性を恋愛対象に見るのはやめなさい、政治に関心持ちなさい、その為に読書を、という流れで、まさかの読書メーターの紹介。40過ぎて独身だと会社で女性陣から「お見合いパーティーとか行かないんですか?」と言われたりします。それ性的嫌がらせだよ?、という言葉を飲み込むのと同時に、気持ち悪がられてんだろうなあ、でもあんたらの人生観・男性観を押し付けないでほしいなあと思ったり。自分が楽しいことを見つけようよという提案でまとめられています。ホントね。
読了日:2月5日 著者:田中俊之
見世物小屋の文化誌見世物小屋の文化誌感想
1998年に早大文学部主催で行われたシンポジウムをもとに構成された本。『見世物大博覧会』の会場で平積みになってましたが、あの博覧会とは異なり、この本は近現代の見世物小屋に焦点を絞っています。福祉が発達して子どもや障害者が出演出来なくなったから見世物が衰退したと荷主さんが繰り返し発言されていて、読んでて非常にひっかかりを感じます。これは廃れていくのが当然だろうなと福祉的な観点からは思います。ただ一方で、非常に生き生きとした生活史でもあり、現代の価値観を相対化してくれる記録でもあると思います。
読了日:2月5日 著者:鵜飼正樹,上島敏昭,北村皆雄
場末の文体論場末の文体論感想
全13章中、文体論らしき内容は第1・2章のみ。どくとるマンボウと狐狸庵先生がアイドル、談志が憧れだったそうです。小田嶋さんは団塊の世代ではないものの、かなり団塊寄りの書き手なのだなと感じました。その世代の文化はあまり受け付けない精神に育ってしまっている団塊ジュニアですが、小田嶋さんの書くものは割と抵抗無く読めます。「男の子が100人いれば、そのうちの2人か3人は、どうやっても社会にうまく適応することができない」と、早逝した友人達を振り返る『談志中坊に宿る』はいい文章でした。談志は好きじゃないけど。
読了日:2月4日 著者:小田嶋隆
弘法大師空海と出会う (岩波新書)弘法大師空海と出会う (岩波新書)感想
文字通り、空海と出会うための新書。生涯、著作、伝説などがコンパクトにまとめられています。究極の自由である「大空三昧」の対極にある自己主張の象徴としてブログ・ツイート・インスタグラムと列挙されてますが、トランプさんみたいな使い方ならわかるけどなあ。職業柄、思想云々よりも、日本音響研究所によって再現された空海の肉声というのに一番食いついてしまいました。再現しようと思えば正直簡単ですが、よく再現しようと思いついたなあ。高野山奥之院には今も朝と昼に大師への食事が提供され、時にはパスタとかも運ばれるそうです。
読了日:2月4日 著者:川崎一洋
一汁一菜でよいという提案一汁一菜でよいという提案感想
表題通りの提案が冒頭にされています。そこから日本人の生き方論、家庭論へと話は広がり、終章は『きれいに生きる日本人』。土井善晴さん、危ない方向へ進んでいるなあと感じてしまいました。「日本人の感性の豊かさ」みたいな自画自賛は読んでて恥ずかしいです。「大和心」なんて書かれてしまうと、土井さん大丈夫?とギョッとしてしまいます。ただ、生きることと料理することはセットというのは本当にそうだなと。自分で料理してないと生活が落ち着きませんよね。土井さんのレシピは好きなので、これ以上変な方向に行ってほしくないなと思います。
読了日:2月1日 著者:土井善晴